曲目
M.ラヴェル
ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
第1楽章 アレグロ
第2楽章 非常に速く
第3楽章 レント
第4楽章 活気を持って速く
Z.コダーイ
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 作品7
第1楽章 アレグロ・セリオーソ、ノン・トロッポ
第2楽章 アダージョ
第3楽章 マエストーソ・エ・ラルガメンテ、マ・ノン・トロッポ・レント
― プレスト
H.パーセル
ガヴォット ー プロパー・チューン
演奏評
(…)近代的なラヴェルの傑作と土俗的なコダーイの大作をしっかり弾き分けながら、
抜群の安定感で両作のもつ魅力を表現する。
なにより、ともすると刺々しい演奏になりやすい両難曲が、
これほど誠実で安心できる音色で聴けるのは貴重で、曲のイメージも洗い直される。
(ぶらあぼ New Release Selection 2024年1月号)
(…)いかにも彼らならではの息の合った絡み合い、
バランスのとれたアンサンブルで持って、見事に熱演している。
それぞれの曲の新奇な響きの表出もいいし、美しく情感たっぷりの歌心、
そして特にコダーイ終楽章での熱気に満ちた迫力など、
この2つの楽器の重なりと、曲そのものの面白さを表して
申し分ないアルバムとなっている。
(音楽現代 音現新譜評「推薦」 2024年2月号)
演奏者プロフィール
三戸素子(ヴァイオリン)
桐朋学園大学卒業後、渡欧。スイス・ヴィンタートゥール音楽院を経てザルツブル
ク・モーツァルテウム音楽大学卒業。在学中に「ザルツブルク国際モーツァルト週間」で
ソリストとしてデビュー以来、ヨーロッパ全域の音楽祭や音楽協会主催のリサイタル等で
演奏。国内外のオーケストラとの共演多数。ハンマーフリューゲルとのモーツァルトのソ
ナタ全曲、ブラームス及びベートーヴェンのソナタ全曲、ブダペストにてバルトーク作品
集、「バッハ無伴奏ソナタ&パルティータ」等に取り組んできた。室内楽では「ザルツブ
ルク弦楽四重奏団」「サンクト・フローリアン三重奏団」でNYカーネギーホールをはじ
めヨーロッパ、北米、アフリカ諸国で演奏。国内では「クライネス・コンツェルトハウ
ス」主宰、コンサートシリーズを展開。また同管弦楽団コンサートマスター。NHK-FM等
世界各国の放送に出演。毎日新聞主催全日本学生コンクール審査員など、後進の指導にも
あたっている。2021年「バッハ:無伴奏ソナタ第3番&パルティータ第2番」のCD
(『レコード芸術』準特選盤)をリリース。
小澤洋介(チェロ)
トロント大学を経てオーストリア国立ザルツブルグ・モーツアルテウム音楽大学卒業。
ザルツブルグ室内オーケストラの首席チェリストを務めるかたわら、ソリスト及び室内楽
奏者としてアムステルダム・コンセルトヘボウ、ウィーン楽友協会等、ヨーロッパ各地で
演奏。依頼ソリストとしてオーケストラとの共演や指揮、チェロ一本の独奏による「小澤
洋介の世界」、またバンフ国際音楽祭招聘アーティスト、NYカーネギーホール演奏会、
スイスヴィンタートゥール音楽協会のコンサート等に出演。ベートーヴェン「チェロ・ソ
ナタ全曲演奏会」をロンドンと東京で行なうなど多彩に国際的に活躍。国内では「クライ
ネス・コンツェルトハウス」を主宰し、コンサートシリーズを展開、また同管弦楽団を率
いている。「音楽の友コンサート・ベストテン」に複数回選出。『レコード芸術』準特選
盤となった「コダーイ:無伴奏ソナタ&レーガー:無伴奏組曲第3番」CDが発売中。自ら
解説と演奏を行なうYouTubeも好評配信中。
ひとこと
ハジけるヴァイオリン、煽るチェロ。これがデュオだ!
渡辺和彦(音楽評論家)
精密機器を思わせるラヴェル、土の香り漂うコダーイ…。
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲、そのジャンルにおける最高峰の難曲2曲に
三戸素子と小澤洋介が大胆に切り込む!